発達障がいについて考えてみよう!Vol.2

LITALICO(りたりこ)発達ナビ 対談イベント参加レポート

メルマガ配信や、サイト上で発達障がいについての情報配信をしているLITALICO(りたりこ)発達ナビ。今回、初めてオンラインでの情報共有ではなく、専門家の先生や実際に発達障がいと診断されたお子さんを4人育てられたご夫婦による対談形式で開催されたイベントに参加してきました。

参加者約180名のイベントでしたが、どんな方たちが参加しているかというと、実際に、発達障がいのお子さんを育てている親御さん、学校の先生、臨床心理士他にも参加者に関する規定はありませんので様々な方が参加されていました。

イベントは3部構成で、1、2部では家族や学校内での支援の現状や、新たに始まっている支援の形などについて、少し専門的な話も交えながらご紹介頂きました。

ⒸLITALICO発達ナビ

今回のイベントに参加して、強く感じたことの一つとして、発達障がいをもつ人の見ている世界は私の見ている世界とこんなに違いがあるんだ、という驚きでした。いや、もしかしたら、私たちは目の前で話をしている誰かと自分の見ている、感じている世界にそれほど大きな差はないという前提で接しているけれど、実は感じ方、見え方はすごく個人差のあることでそれは、発達障がいであるなしに関わらずあるのかもしれない、と感じたのです。

でも、その違い非常に大きくコミュニケーションにおいて大きな誤解を招いてしまったり、学校生活や、家庭での生活においても困難が多いというのは本当に苦しいことだと思います。本人はもちろんのこと、関わる家族や友達、周囲の人たちもきっとわかりたいのにわかれないそんな現実があるのだと知りました。ただ、以前とは違い、発達障がいについて色々なことがわかってきて、その違いを様々なやり方によって理解しあえる「コツ」を知ることが出来ます。だとしたら、これは是非知っておきたい情報ですよね。発達障がいをもっているもっていないにかかわらず、お互いの個性を理解し人間同士が付き合っていくうえでの「コツ」としても非常に役立つものだな、と思います。

いくつか印象に残ったお話をご紹介します。




 

発達障がいの子どもたちの見ている、感じている世界

一番、衝撃的でかつドキッとした内容です。普段、彼らはどんなふうに感じて、どんなことに困っているのかこんな風に言葉にしてもらって初めて気づかされることがたくさんありました。

・「何度も同じことを言わせるな」と言われるけど
何度もわからないことを言わないでください。
(具体的に、わかりやすく伝えることの必要性)

 

・書こうと思っていても思い出せなかったり
思い出しても書こうと思うと頭からきえてしまうことがあります
でも、書けなくっても困っていることをわかってもらえなくて
怒られてしまいます
頑張っているから怒ったりしないでください
(援助要求を出せる状況にないことの問題)

 

・優柔不断で、話をする時におどおどしてしまい、他人から見れば
いらつくような態度に見えるかもしれない
自分はそんな自分が一番嫌でたまらなくって
ずっときえていなくなってしまいたかった
(自己肯定感の問題)

 

・いつも音でいっぱい
先生の声がみつからない
大切な話を何個するか
教えてから話してください
(指示の工夫の必要性)

 

・友達の会話は
ぼくには早くて全然聞き取れない
すべての会話に
字幕が出たらいいのにな
(視覚的支援の必要性)

・・・いかがですか?

なぜ、ドキッとしたかというと、「何度同じことを言わせるの?」このセリフ、少なからず私自身が口にしたことがあったからです。そうか、何度も同じことを言わせているのは子どもじゃなくて自分なんだ。自分の指示が子どもにわかるような工夫がされていないから心に残らないんだ。
「ちゃんと片付けて」「ちゃんと用意して」「ちゃんと座って」・・・
何気なく口にしていた言葉だけど、ちゃんとって何?って感じですよね。なんてあいまいでつかみどころのない言葉・・・。便利でよく使ってしまいますが・・・。

発達障がいの中には特に具体的でわかりやすい表現でないと理解が難しい特徴のものがあります。でも、発達障がいじゃなくたって具体的でわかりやすい表現で困ることなんて無いですよね。工夫次第で困ることが減るのだったら、せめて学校など教育の場からでもそのようなテクニックをもってコミュニケーションをとってもらったらみんなにとってハッピーなのでは、と思います。このような工夫を

・教育環境
・授業内容
・人的環境

のユニバーサルデザイン化と言うそうです。例えば、授業内容のユニバーサルデザイン化を例に挙げると、国語の教科書の読み物に出てくる登場人物の気持ちを表現するのにグラフを用いてみる、など視覚化、共有化、焦点化を意識した授業内容にする、これは定型発達であっても楽しんで取り組めそうですよね。

発達障害の診断を受けたお子さんを4人育てられたご夫婦の対談

イベントの後半では発達障がいをもつお子さんを4人育てられたご夫婦が登場して様々なエピソードを話してくださいました。

【望遠鏡かジュースか、の話】

ご長男のこだわりの強さの話では、旅行中観光地にある望遠鏡を一度だけと言い聞かせて見せてあげたそうですが、その先いくつ望遠鏡があるたびにどうしてもやると言ってきかず困った経験をされたそうです。その時お母さんのとった対策が見事。望遠鏡が1回100円くらいで、当時ジュースも1本100円くらいだった頃。他の家族はのどが渇いたからジュースを飲むけど、○○(ご長男の名前)はジュースじゃなくて望遠鏡にする?と聞いたそうです。その二つの選択肢から、彼ものどが渇いていたのかみんなと同じジュースを選択しそのあと二度と望遠鏡をやりたい、とは言わなかったそう。

こういうことって、小さい頃には定型発達であっても結構アルアルな話ですよね。そうか、そうすればよかったのか、と今更ながら目からうろこです。気持ちの切り替えをさせるのにもコツがあるのだなぁ、と感じます。(わかっていても、自分自身に余裕が無いとこうはいかないこともあるのですが・・・)

【殻つきピーナツの法則、ライフワークジャグリング・・・の話】

働き盛りで仕事が激務のご主人が、4人の発達障がい児を育てた奥様をどのようにささえたのか、その話はかなり興味深く、大変ユニークでした。
ご主人はとにかく奥様の話をよく聞いたそうです。男性にとって女性の話を延々と聞き続けるのは時に退屈で発展性がなく苦痛に感じることもあるそうですが(男性読者のみなさま、どうですか?笑)殻つきのピーナツを食べながらだと、なんとか間がもって奥様の話をひたすら聞き続けることが出来たそうです。それは、冗談交じりのエピソードであったかもしれませんが、とにかく深夜残業中でも奥様からかかってきた電話には出来るだけでて話を聞く、ということをされていたそうで、奥様もご主人に感謝されている様子でした。
また、年間出張が200を超えるような忙しさの中で昨今言われているような「ライフワークバランス」を実践するのは本当に無理な話だったそうですが、ご主人は「ライフワークジャグリング」なら出来る、と実践されていたそうです。家が大変なので毎日定時で帰ります、は許されなくても本当にピンチの時に思い切って休んで奥様の手助けをする、それだったら結構許されるものです、とおっしゃってました。奥様が熱を出して大変だったときに、ご主人が会社を休んで作ってくれた豚汁は本当にありがたくてしっかり記憶に残っていると話されてました。




【実際に発達障がいのあるご長男、ご次男ふたりの登場】

このご夫婦に育てられた発達障害の診断を受けたお子さん(すでに成人されている方と大学生)たちが登場し様々な話をしてくれました。お二人はご兄弟ですが、まったく正反対の性格、という印象でどちらも自分の個性を認めて工夫しながら生きていらっしゃるように感じました。

お兄ちゃんはアグレッシブで思ったことをズバッという竹を割ったような感じでユーモアのセンスも抜群。人懐っこくて人を引き付ける魅力のある方と言った印象。現在起業されているそうです。弟さんのほうは、ものすごく折り目正しく言葉づかいもかなり丁寧。控えめできちんとした印象。たくさんの方と一度にコミュニケーションをとるのが苦手だそうで、大勢の中でうまくコミュニケーションをとるコツを自分なりに工夫されているそうでそのことについて話してくださいました。お二人の話を聞いていると、障がい、ってなんだろうと改めて考えさせられました。生きづらいことがあっても、生きやすくする工夫をすることは出来るんだな、と思いました。彼らが、定型発達の人が多数である社会に生きていくうえで色々な工夫をしてその違いを埋めようとしているのだから、周囲ももっと発達障がいについて知って、理解しあえる社会が理想形だな、と思います。もちろん、難しいことはたくさんあるのでしょうが、少なくともまだまだ出来ることはたくさんあると感じます。

さて、今回はりたりこ発達ナビによる対談イベント参加のレポートをお届けしましたが
次回Vol.3では、発達障がいについての情報が得られるサイトや行政、NPO法人などによる
支援にどのようなものがあるのかをご紹介したいと思います。




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